コロナの影響で、不況になるのではないか、と心配されています。不況になると、大きな影響を受けるものの一つが、不動産です。
一般的に、不動産が売れなくなると、不動産の価額が下がります。不動産の価額が下がると、相続にどのような影響があるのか、見ていきましょう。
遺言がないと、相続人間で、遺産(相続財産)の分け方を話し合います。これを、遺産分割協議と言います。
分け方を話し合う際、「不動産をいくらと見るか」をめぐって、もめることがあります。
遺産の評価について、いつの時点を基準とするか。考え方としては、相続開始時(被相続人死亡時)という考え方もあります。しかし、実務的には、遺産分割時とされています。
(遺産分割時というのは、厳密に言えば、遺産分割協議がまとまる時です。しかし、実務的には、お話合いをしている時点の価額とすることが多いようです。)
不動産についていえば、遺産分割時の時価、ということになります。
時価とは、市場価格です。不動産の市場価格は、取引が成立したときに生じます。遺産の不動産が売却できれば、原則、それが時価ということになります。
売る予定のない不動産で、時価をどうやって出すのか。客観的とされているのが、不動産鑑定士による鑑定価額です。もちろん、不動産鑑定士の先生の費用が発生します。
そこで、鑑定以外の方法により、不動産の価額を算定することができないか、というニーズが生じます。
実は、不動産に対しては、様々な主体が様々な目的をもって価額をつけています。例えば、固定資産評価額という価額があります。これは、自治体が固定資産税を賦課する目的で、不動産に価額を設定したものです。固定資産税を賦課する目的で価額をつけたものですので、当然、時価(市場価格)ではありません。一般的には、時価(市場価格)よりも低廉であることが多いようです。しかし、建物(家屋)などについては、市場的には値段がつかないものに対しても、一定の価額がつけられることがありますので、必ず低廉である、ということでもありません。
路線価(地域によっては評価倍率表)は、国税庁が相続税及び贈与税を賦課する目的で、土地に価額を設定したものです。一般的には、固定資産評価額よりも高く、時価(市場価格)に近い、と考えられています。
そこで、これまで、遺産分割協議の実務において、土地は路線価、建物(家屋)は固定資産評価額を用いることがありました。
ところが、近年、不動産が売れ難い場合が目立つようになりました。極端な例ですが、駅徒歩10分の分譲住宅地にある土地(約250㎡)、路線価では約2000万円という土地がありました。バブルの頃には、もっと高値で取引きされていたようです。この土地を売却したのですが、3年かかってようやくついた値段が80万円。「古屋付き」「公道より階段で5メートルほど上ったところが敷地」などの難点があったとはいえ、ここまで売却が難航するとは想像以上でした。
「路線価でなんか、とても売れないよ」という土地が出てきているのです。
私どもの感覚でいうと、路線価で売れない、路線価と時価が乖離する、という土地が、増えています。
そこへ、コロナ(新型コロナウィルス)の流行です。不況が深まると、より、不動産が売れなくなる可能性があります。
そうなると、遺産分割協議で、どうなるか。
土地を取得する者にとっては、「路線価のような高い値段で、売れるはずがない」と言って、「時価は、もっと低いはずだ」と主張したいでしょう。
一方、相続人の中に、「いやいや、路線価でも時価より安い、と聞いた」みたいな話をされる方がいらっしゃると、話合いがまとまらない、ということになるのです。
2030年頃には、4戸に1戸が空き家になる、と言われています。不動産も、高い価値が維持されるところと、そうでないところと、分かれるかもしれません。
遺産分割協議をするにあたって、「不動産は高価」とかたくなに思わない方がいいと感じます。
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