新型コロナウイルスの影響は各所に生じています。そこで、今回は、相続手続きに対するコロナの影響についてご説明します。
ご家族の方が亡くなると、遺産をどうするかという話が出ることがあります。相続人の間で遺産を整理するには、資料収集、遺産分割、その後の名義変更や解約手続きという3つのプロセスを経る必要があります。
具体的に言いますと、遺産分割をするには、まず、相続人や相続財産を確定するために、様々な資料を集めます。次に、遺産分割を行いますが、家庭裁判所で行う調停や審判という方法を検討する前に、可能であれば、相続人間で遺産分割協議を行うことが考えられます。これがまとまり、遺産分割協議書が作成されれば、不動産の相続登記や株式・預貯金などの名義変更・解約を行います。
ここで、問題となるのは、コロナ収束の見通しが立たないなかで、相続人が集まって遺産分割協議を行ってよいのか(遺産分割協議を行うために、相続人は集まらなければならないのか)、遺産分割のための資料収集、遺産分割協議終了後の手続きを関係機関の窓口に出向いて行ってよいのか(遺産分割を行うために、関係機関に出向かなければならないのか)という点です。人との接触は避けるに越したことはない現在の状況においては、重要な問題であると言えます。
以下では、これらの問題への対処法をご紹介します。
遺産分割協議とは、相続人同士の話合いです。故人の遺産をどのように分けるか、誰が取得するかについて、相続人全員で話し合い、合意することを目指します。
では、遺産分割協議を成立させるためには、相続人全員の立会いや面談が必須かと言われますと、不可欠ではありません。確かに、相続とは、親族間におけるデリケートな問題ですので、相手の顔色を見ながら話を進めることに一定の意義があることは否定できません。しかしながら、遺産分割協議の方法としては、面談、電話、手紙、メール、各種リモートツールなどいかなる手段も可能です。
このように、遺産分割協議は、方法を問わず、相続人全員の合意が得られればよいというものになります。相続人全員が納得のいく協議ができましたら、その内容を遺産分割協議書にまとめることで、遺産分割協議は終了します。
次に、相続手続きにあたっては、相続人以外の外部の人ともやり取りをする必要がありますが、これは、どのように進めればよいのでしょうか。以下では、遺産分割協議に入る前と、遺産分割協議が成立した後に分けて、ご説明します。
遺産分割をするためには、故人について、誰が相続人であるか、遺産として何がどれくらいあるかを明らかにする必要があります。
相続人を確定するためには、役所において、戸籍謄本などの資料収集を行います。これについては、必ずしも役所に出向く必要はなく、郵送でも受け付けてくれるところが多いです。郵送請求の場合はやや時間がかかるといえますが、コロナ感染のリスクを考えますと、郵送という方法を採ることには意味があると思います。
また、遺産の内容を把握するためには、例を挙げますと、下記のとおり、資料請求を行うことになります。
登記事項証明書・・・法務局
固定資産評価証明書・・・市町村役場
残高証明書や取引明細・・・証券会社など
残高証明書や取引明細・・・金融機関
これについても、郵送請求は可能なところが多いですので、請求者が、名義人(故人)の相続人であることが確認できる資料(戸籍謄本など)を揃えたうえで、関係機関に対し郵送請求することになります(必要書類の詳細は、各関係機関にお問い合わせください。)。
遺産分割協議が成立し、遺産分割協議書が完成した後は、遺産の名義を、それを取得する相続人の名義に変更したり、関係機関との間で解約などの手続きを取ります。
これについても、窓口まで出向いて手続きするということも考えられますが、コロナウイルスの状況に鑑みますと、上記(1)と同様、郵送で行うことも考えられます。現に、証券会社や金融機関などは、郵送での対応を受け付けているところが多く、コロナ感染のリスクを避けて手続きを行うことが可能です。
以上のとおり、遺産分割を始めるにあたっての相続人調査や遺産調査、遺産分割協議、遺産分割協議終了後の遺産の名義変更や解約などの手続きのすべてにわたって、人と直接対面して進めることが不可欠ではないことをご説明しました。しかし、コロナウイルスに対して依然として気が抜けない現状においては、いろいろと手続きをすることに前向きになれないことも多いと考えられます。
そこで、最後に一点お伝えしたいことがあります。それは、先ほど述べました、遺産分割にまつわる様々な資料収集、遺産分割協議それ自体、そして遺産分割協議成立後の相続手続きをすべて弁護士が、相続人から委任を受けて行うことができるということです。ご依頼いただく相続人の方におかれましては、弁護士との間での打合せは必要になりますが、それ以外には、原則として、外部の人と接触することなく、相続手続きを最後まで進めることができます。
「相続が発生しているけど、コロナのこともあって、どう動いたらよいかわからない」場合、弁護士が代わりに相続手続きを行うことは、有効な選択肢の一つです。
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