遺書と「法律上の遺言書」の違いは何ですか。遺書は,効力は全くないのですか?
- 2020年12月7日
- よくあるご質問
遺書とは,広く,人が死後に向けて言い残す言葉をいい,その内容や様式を問いません。
これに対し,法律上の遺言書は,人の最終意思が一定の様式のもとで表示されたものをいいます。遺言書は,遺言することができる事項が限定され,また,方式も法律に限定的に列挙されています。
遺言することができる事項(遺言の内容)については,身分関係に関すること(認知など),遺産の処分に関すること(遺贈など),相続の法定原則の修正に関すること(遺産分割方法の指定など),遺言の執行に関することなどがあります。「○○を大事にするように」などという内容は,それが書かれていても,法的な拘束力を持ちません。
遺言の方式については,自筆証書遺言や公正証書遺言などが法律で定められています。例えば,自筆証書遺言であれば,遺言書の全文,日付,氏名を自筆し(自分で書き),押印して作成することが必要です。ワープロで作成したものは,「自筆」であるとの要件を満たしません(ただし,最近になり,遺産の目録(一覧表)については,ワープロによる作成が許容されるようになりました。)。
つまり,遺書であるか遺言書であるかということが大事なのではなく,書く内容と書き方によって,法律上の遺言書として効力を持つかどうかが決まってくるのです。