【自筆証書遺言(その3)】
- 2020年06月12日
- よくあるご質問
Q3)10年前に前記原稿用紙の遺言(第一遺言)がある場合,10年後に作成された前記葉書の遺言(第二遺言)の効力についての判断が変わる可能性がありますか。
A3) あります。遺言の効力は,その文言を形式的に解釈するだけでは足りず,「遺言書の全記載との関連,遺言書作成当時の事情及び遺言者の置かれていた状況などを考慮して遺言者の真意を探究し当該条項の趣旨を確定すべきもの(昭和58年3月18日最高裁判所第二小法廷判決)」であるところ,第一遺言に抵触する第二遺言は,第一遺言の内容と照らし合わせると,次女への「私信として作成したものと見るのが自然且つ合理的で」,「確定的最終的な意思であると断定するには合理的な疑いが残る」と言わざるを得ないからです(令和元年7月11日東京高等裁判所判決は,第一遺言を有効とし,第二遺言を無効と判示しました(確定)。)