父/母は、生前、「遺言を書いた」と言っていたのですが、自宅に遺言書が見当たりません。公正証書遺言というものがあると聞いたのですが、どこにあるのでしょうか?
- 2021年03月22日
- よくあるご質問
遺言の種類の一つとして、公正証書遺言があります。
公正証書遺言とは、第三者で公務員の地位にある公証人が関与することにより作成される遺言であるため、その効力が問題となることは少なく、遺言をめぐるトラブルが生じにくいものです。また、公正証書遺言は、その原本を公証役場で保管しますので、偽造や変造、盗難、紛失のおそれもありません。
公正証書遺言があるかどうかは、遺産分割協議を行うか否かを考える出発点となります。しかし、相続人が公正証書遺言の有無を常に知っているわけではなく、相続人の知らないところで作成されている可能性も大いにあります。被相続人が死亡し、相続が開始した時に、公正証書遺言の有無を確認することは、とても重要なことです。
公正証書遺言の有無は、公証役場における遺言検索システムにより照会することができます。なお、この検索システムで照会可能なのは、平成元年以降になされた遺言のみです。誰でも照会できるわけではなく、相続人であるなど、遺言者との間で一定の関係性が求められます。照会システムを利用するためには、遺言者の死亡の記載のある除籍謄本、システム利用者と遺言者の続柄が分かる戸籍謄本等が必要です。これらの書類を持って公証役場に行くことで、多くの場合、その日のうちに、公正証書遺言の有無について結果が通知されます。