相続人同士、例えば、兄弟姉妹間や親子間でもめることは、想定できると思います。いずれも相続人の地位を有し、相続する権利があるからです。
相続人でない者は、当然、相続できません。相続人でない人に対しては、「あなたは関係ない」と伝えれば、たいていの場合は済むでしょう。
しかし、実際には、「あなたは相続人でない」「あなたは関係ない」と言うだけでは、話が済まない場合があります。いろいろ考えられますが、珍しくないのは、相続人の配偶者が関わってくるケースです。
「あなた(夫・妻)は長男・長女なんだから、多く、遺産をもらわないと」
「他の兄弟姉妹は、いろいろ援助してもらっているから、あなた(夫・妻)は、相続では、たくさんもらわないと」
「あなた(夫・妻)は、親の面倒をずっと見てきた。他の兄弟姉妹は、面倒を見ていないのだから、遺産分割では有利にしてもらわないと」
「私は、義父や義母の世話を熱心にやってきたのだから、私も、遺産をもらってよいと思う」
ある相続人は、法定相続分にしたがって、もめることなく、遺産を分けられればよいと思ってます。しかし、その相続人の配偶者が、それでは納得しません。相続人でない者(相続人の配偶者など)が相続人らの話し合いに口をはさんでくると、進む話も、進まなくなることがあります。
こんなとき、弁護士にご相談いただけたらと思います。
相続人でない者(相続人の配偶者など)が介入してきたことにより、相続の話し合いが進まなくなっている方には、下記をお読みいただいたうえで、「相続人でない者との間での問題は弁護士に相談する」と、感じていただけますと幸いです。
相続人でない者を、相続の話し合いから外すことが重要です。
相続人でない者には、相続する権利がありません。ですので、相続人でない者とは、相続の話はする必要がありませんし、そもそも、話をすることができないといえます。
しかし、相続人の配偶者などが、事実上、相続の話に口を出してくることがあります。この場合、まずは、「相続人としか話ができない」ということを伝えることが大切です。
弁護士は、相続人でない者が話に加わってきて困っているという方に対し、自信をもって「相続人でない人とは話せない」と言えるように、話の持って行き方などをアドバイスします。
また、弁護士にご依頼いただければ、弁護士が相続の話し合いの窓口となり、相続人とだけ話し合いを行うようにします。相続人でない者が話をしたがっても、弁護士は、特に必要があると認めない限り、相続人のみと話をします。
これにより、相続人でない者の関わりを排除することを目指します。
弁護士のアドバイスにより、また、弁護士が代理人となることで、相続人でない者が口を出してくることを少なくすることが期待できます。
しかし、弁護士側からは、相続人でない者とは話をしないと決めたとしても、相手(相続人でない者の影響を受けた、相続人自身)が、話し合いのテーブルについてくれるかどうか分かりませんし、また、テーブルについてくれたとしても、話し合いの後には結局、相続人でない者が口を出してくるという事態は、容易に想像できます。これでは、話し合いは進みません。
そこで、家庭裁判所の遺産分割調停という手続きを利用することが、選択肢の一つとして出てきます。調停は、裁判所の密室で実施されます。部屋には、原則として相続人しか入ることができません。調停委員という公平中立の立場の人が、法律に則りながら相続人らの話を聞いて、話し合いがまとまるように、議論を進めてくれます。ここに、弁護士を代理人として参加させると、いっそう効果的です。弁護士は、裁判所、調停委員の考えにも気を配りながら、議論を円滑に進め、合意を成立させるべく努めます。
もっとも、遺産分割調停であっても、例えば調停が終わって自宅に帰るなどすれば、相続人でない者(相続人の配偶者など)が、口出しすることは可能です。しかし、裁判所では、「今回はここまで話しました。次回までにこれを考えてきてください」という具合に、話が整理されていきますので、裁判所を利用しない話し合いと比べると、相続人でない者の口出しが持つ影響力は、小さくなると考えられます。加えて、遺産分割調停は、話し合いがまとまらない、又は、他の相続人が話し合いに出てこない場合には、審判という手続きに移行し、裁判官の判断がなされます。これにより、相続人でない者の影響で話し合いにならない場合や、話し合いがそもそもできない場合でも、遺産分割を行うことが可能になります。審判は、裁判官が行う法的判断ですので、審判手続きに移行した場合には、よりいっそう、法律、相続の専門家である弁護士のサポートに意味が出てくると思われます。
これまでは、「相続人の寄与分」という制度しかなかったため、相続人でない者(相続人の配偶者など)は、自身の療養看護の事実をもって遺産の分配を求めることができませんでした。しかし、相続法の改正により、相続人ではない被相続人の親族(例えば、相続人の配偶者)が、被相続人の療養看護に努めるなど貢献を行った場合に、貢献に応じた額の金銭(特別寄与料)の支払いを請求できるという制度ができました。
特別寄与料を請求するための要件や、請求可能額、請求方法、請求するのに必要な証拠など、検討すべき事柄は多岐にわたります。義理の親の世話をしてきたと主張する、相続人でない者(例えば、義父の世話をしてきた、義父の子の妻)に対しては、金銭を請求するのであれば、この制度にしたがって請求するように仕向け、裁判所を利用した手続内での解決を目指すこととなります。
遺産や相続について、弁護士に相談、依頼することは、今では、ごくありふれたことです。
相続人でない者(相続人の配偶者など)との間でも、感情面の争いが絡まるなどして、なかなか話が進まないという事態も起こりえます。弁護士は、依頼者の思いを聞き、思いに寄り添いつつ、しかし冷静に、遺産分割協議を進めます。
相続人でない者との間で、相続でもめている方はもちろん、それ以外の人物との間でも、協議が調わない場合には、ぜひ一度、弁護士までご相談いただけたらと思います。
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